「知識労働者にとって必要なものは管理ではなく自立性である。知的な能力をもって貢献しようとする者には、大幅な裁量権を与えなければならない。」 (ピーター・ドラッカー)
大昔、上司と部下の違いは、命令する側と命令される側の違いくらいにすぎなかった。
上司がやっている仕事と部下がやっている仕事は同じだった。上司は部下より多くの経験を積んでいた。経験の浅い部下よりも上司の方が仕事ができて当然だった。
かつては、部下を命令で動かすことがマネジメントだと考えられていた。今日、時代の流れとともに、仕事は細分化され、専門化された。上司は、部下の仕事の詳しい中身まで分からなくなっている。例えば、ソフトウェアを開発する会社では、上司は完成させるものは分かっていても、部下が作るプログラムの中身までは分からない。また、上司の仕事は「新しい商品を出すこと」であって、「新しい商品を考える」のは部下の仕事といったケースはよくあることだ。このように、現在は、上司の仕事と部下の仕事はまったく違うものになっている。部下を命令で動かそうとする考えが間違っている。いや、間違っているだけではない。時代遅れである。
上司の仕事は、「部下を動かすこと」ではなく、「部下の強みを生かすこと」に変わった。上司がいちいち口出しをするような組織は発展しない。上司の仕事は部下の仕事に首を突っ込むことではない。アドバイスすることでもない。何が問題かを部下自ら気付けるように導くことだ。会社が進む方向性を明確に打ち出し、それさえ組織で共有できれば、上司の指示はいらない。
1.部下に責任を持たせる自分が担うべき責任は何か。部下とじっくり話し合い、上司の役割として、自分が担うべき責任について部下の考えを導き出す。2.期待の合意を創り出す自分が期待されていることは何か。部下の考えをじっくり聞き、上司の役割として、部下の考えを明らかにすることを助ける。3.部下の強みを生かす自分の強みを生かしてどのように成果をあげるか。上司として部下の強みを理解し、部下が成果をあげる筋道を明らかにする。
部下に自立性を持たせることはとても大切なことです。
ただ、必ずしも本人の意志が、組織内で活かせるわけでもありません。
与えらえた範囲の中で、自分が行うべきことが何かを素直に考えるような人間ばかりでもないのも事実です。それを正しく導くのが上司の仕事なのでしょうが、人の考え方は、簡単に変えることはできません。変えようと思うこと自体が不遜なのかもしれません。
でも部下には自立性を持って欲しい。
部下自身が自分の意志で変わっていかないと意味もありません。
影響を与えられる人間になっていかないといけないのでしょうね。上司は。
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