なぜRPA幻滅期の沼は深いのか――弱点から探る現実的な自動化の道

2021/11/15

RPA

t f B! P L

 第二回 なぜRPA幻滅期の沼は深いのか――弱点から探る現実的な自動化の道

RPA本格展開時の課題

デメリット:<保守性>・(ロボットが停止するなど)稼働が不安定なので常に監視しなければならない。・ロボットが停止しやすいため、例外処理を組み込まなければ完全な無人化が実現できない。・毎年、ライセンスファイルの更新作業が発生する。・Windowsがロックされると使えない。・勝手に自動アップデートがかかり、設定を片っ端から直さないといけないなど、運用に困ることが多かった。・クライアント端末上で動くロボ全般について、端末依存によるトラブルが多すぎ、正直使い物にならない。人間の動作を模倣する方式のRPAは本番業務には無理があると思う。
<機能的な限界や利便性>・実行速度が遅い。・Webページの認識率を高めてほしい。(フローを開発する際に)ボタンやリンクなどのオブジェクトをきちんと認識してほしい。・無料版では作成したフローのエクスポートができず、共有が難しい。・日本語では機能を検索してヒットしないことがあり、ローカライズが不十分な点を感じる。・(デスクトップ型のツールでは)RPAの実行中にPCの操作ができないため、その間別の事務作業をするか、他の端末を使う必要がある。最悪の場合は待ち時間が発生するため、RPAのロボットが仮想化された環境で動作するようになるとうれしい。・在宅勤務との相性の悪さが課題だと感じる。・レコーディング機能やフロー構築の効率化という点で課題がある。・非定期処理の場合に実行の手順が面倒なため、作成しても普及するかの判断が難しい仮想環境での動作未対応・公式ドキュメントは十全だが、コミュニティーからの情報が少ない。「ググったら出る」感がほしい。・社内のセキュリティ環境に合わないためロボを作る以前に計画がとん挫した。
<コスト>・ライセンス料が高額。数万円程度であれば利用しやすい。・無人で実行できることがRPAの長所の一つだが、そのために上位ライセンスの契約が必要なのはどうかと思う
<開発工数>・ローコード・ノーコードで開発できるとはいえ、業務の片手間でRPAツールを使ってロボットを開発することは手間がかかる。もっと工数をかけずに手軽にロボットを作れると有難い。


メリット:
<業務自動化による工数削減>
・大規模な定型業務から個人単位の小規模な業務まで自動化できる。
・業務効率化による精神的負担の軽減とモチベーションの向上。
・人間が付加価値のある業務に時間を充当できるようになった。
・ロボットは(人間と比較して)作業が速く確実で、ミスがなく漏れもない。
・経営側に受けがよい。

<コスト>
・容易な作業であれば、動作するものを低コストで作成できる。まずはやってみたいことが、すぐ試せるのは強み。

<ツールに依存した利便性>
・利用端末の拡張が容易だ。
・ローカルでの人手による実行とサーバ機からのスケジュール実行の併用が可能。
・シナリオの書き換えなどに柔軟に対応できる。
・「AS/400」と連携しやすい。
・ロボットの監視結果を自動メールで確認できる。エラーがあった場合に、メールでエラーがあったと把握できる。

<開発工数、スキルの教育>
・RPAによる自動化のフローを作成する「シナリオライター」の育成が早く、簡単だ。
・シナリオを作成する時間が短い。そのために、仕様変更に柔軟に対応できる。
・ツールの学習をキッカケに社外に仲間ができた。
・情報系の知識が皆無でもロボットを作成できる。
・従業員が身近なツールとして業務を自動化できる可能性に気付き、取り組む良い機会になった。
RPA本格展開時の課題としては、ロボットのスキルを持った人がいない、ロボットが停止する、ロボットの管理が煩雑などが上位に挙がっている。
プログラミングの知識を必要とせず、業務を自動化することができるのが、RPAの最大のメリットだと思うが、まだまだハードルは高いのだろう。
そのハードルをいかに下げることができるのか、もう限界なのだとしたらRPAのシナリオ自体も、AIが勝手に作成できないとダメなのかもしれない。
ただ、誰もがRPAを使いこなせるようになると、SIerは大打撃を受けるかもしれない。AIが単純作業を奪っていくのと同じように。

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